ヤコブは死期が近づいたとき、息子たちを集めました、「集まりなさい。後の日に、あなたがたの上に起こることを、告げましょう」(1節)。ヤコブは息子たち一人一人に向き合い、メッセージ(遺言)を伝えます。そのメッセージには、ちょっとした叱責とあまたの祝福が込められています。そして、全体を通して、イスラエルの地で(彼らの子孫たちが、それぞれ)部族として暮らすその未来像を描いています。
部族へのこのメッセージはまるで詩のようです。その言葉には韻律があり、気品と描写が豊か、また動物の世界からの引用が多々ありました。
祝福の順番は母親によっています。
レアの子:ルベン、シメオン、レビ、ユダ、ゼブルン、イッサカル
ジルパとビルハの子:ダン、ガド、アセル、ナフタリ
最後にラケルの子:ヨセフ、ベニヤミン
創世記48章をよむPoint
1. けじめをつける(סגירת חשבונות)
ルベンには(4節)ビルハとの不適切な関係について、また、シメオンとレビには(5-7節)彼らの強引なやり方について述べています。
2. 息子たち、部族、嗣業の地(הבנים, השבטים והנחלות)
シメオンとレビに関しては、「わたしは彼らをヤコブのうちに分け、イスラエルのうちに散らそう」(7節)とあるように、レビの子孫は、嗣業の地をもたない部族となり、シメオンの嗣業の地はユダの地方に統合されます。セブルンの嗣業の地は、「海辺に住み、舟の泊まる港となって、その境はシドンに及ぶであろう」(13節)とあるように、その北海岸の平野が与えられます。
3. リーダーシップ(הנהגה)
ユダは、「つえはユダを離れず、立法者のつえはその足の間を離れること」(10節)はないとあるように、未来永劫(イスラエル民族の中で)リーダーシップを担うことを約束されます。
4. 実を結ぶ若木(בן פורת)
ヨセフへの祝福には「ヨセフは実を結ぶ若木、泉のほとりの実を結ぶ若木」(22節)とあります。おそらくは、水辺で育つ実りの多い枝のように祝福された息子という意味でしょう。
5. 動物とシンボル(חיות וסמלים)
このメッセージ(祝福)で詩的に用いられている動物は、それぞれの部族のシンボル(象徴)となるだけでなく、各地域を示すシンボルともなりました。
ミリアム・ブルーメンタル著
※上記は929の日本語訳となります。
https://www.929.org.il/page/49/post/1438
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