── パウロを、今日の私に宛て直す ──
これは、聖書学の解説集ではありません。「パウロを心から尊敬できない」——その正直な違和感を出発点にして、パウロ書簡を自分のものにしていくための場所です。パウロという一人の人間に近づき、尊敬が生まれ、そして最後に問う——「二千年前にこれを書いたパウロは、いま日本に生きる私の信仰生活に、何を語りかけているのか」。ここに帰ってくるための書斎を、少しずつ建てていきます。
三つの層で読む
一つひとつの記事は、いつもこの順で進みます。知る(使徒行伝の背景・その時のパウロ・協力者)→ 敬う(木下順治が描く一人の人間の格闘に向き合う)→ 受け取る(そのパウロは今日の私に何を語るのか)。
底本
木下順治『パウロ——回心の伝道者』(筑摩書房、1986年)。著者は日本基督教会の牧師・神学者で、劇作家の木下順二とは同名の別人。あとがきに「パウロを理解するために苦闘してきた努力の集積」とあるとおり、本書自体が一人の信仰者の格闘の記録です。生涯を時系列で追いながら、各書簡を「それが書かれた人生のその瞬間」に埋め込む構成で、手紙が「文脈の中の言葉」として立ち上がります。
目次(読む順序)
はじめに(序論)
- パウロの手紙は、なぜ読みにくいのか ── 手紙は「長い順」に並んでいる。だから最初のローマ書でつまずく。まずここから。
第一部・人物篇 ── 人間パウロに出会う
第二部・書簡篇 ── 手紙を読む(読解ノート)
- テサロニケの信徒への手紙 一
- テサロニケの信徒への手紙 二
- ガラテヤの信徒への手紙
- コリントの信徒への手紙 一(準備中)
- コリントの信徒への手紙 二(準備中)
- ローマの信徒への手紙(準備中)
- 獄中書簡(フィリピ/フィレモン ほか)(準備中)
協力者ファイル ── パウロを支えた人々
バルナバ、シラス、テモテ、テトス、プリスキラとアクラ、ルカ……。パウロを「関係の中の人間」として立体化する人物カード。(準備中)
パウロからの手紙 ── 今日の私へ
各読解ノートの着地(=今日の私への手紙)だけを束ねた連作。疲れた時に帰ってくる場所。(準備中)
対話 ── 福音書との接点/番外・資料
イエスの言葉とパウロの言葉を並べて問う対話、真筆性の議論・年表・参考文献。(準備中)
パウロを、今日の私に宛て直す試み。底本:木下順治『パウロ——回心の伝道者』(筑摩書房)。
