聖書をよむPoint by 929

人物篇

小括 ── いま、私はパウロを尊敬できるか(人物篇15)

序(01)で「尊敬できない」と書いた。人物篇を辿り終えたいま、その問いに答えたい。完璧だからではなく、弱いまま燃やし続けたから——いま私は、尊敬できると言える。
人物篇

ローマへ、そして殉教 ── 走るべき道を走り尽くした(人物篇14)

皇帝に上訴したパウロは、難船を経てローマへ。軟禁ののち、ネロの迫害の中で殉教する。「戦いをりっぱに戦い抜き、走るべき行程を走り尽くした」。残ったのは、その火から生まれた手紙だった。
人物篇

最後のエルサレム行き ── 危険を承知で(人物篇13)

旅の終わりに、パウロは献金を携え、危険の待つエルサレムへ上る。「縄目と患難が待つ」と告げられ、仲間が泣いて止めても、彼は引き返さなかった。覚悟とは、恐れを知りながら進むこと。
人物篇

反対者との戦い ── 外と、内と(人物篇12)

パウロの生涯は戦いの連続だった。外にはユダヤ主義者や偽使徒。だが、もっと手強いのは自分自身との戦いだった。「なんというみじめな人間だろう」——回心後も葛藤は消えなかった。
人物篇

日々の工夫 ── 火を絶やさない習慣(人物篇11)

火は消えうると知っていたパウロは、どうやって絶やさなかったのか。祈り・感謝・仲間・労働・思い起こし・目標——手紙から拾える、地味だが真似できる日々の習慣。
人物篇

弱さという場所 ── 肉体のとげと「弱い時にこそ強い」(人物篇10)

迫害の過去も激しさも尊敬しづらい。でも私が彼をいちばん好きになれるのはここだ。彼は自分の弱さを隠さず、むしろ誇った。弱さは消すべき欠陥ではなく、力が宿る場所だった。
人物篇

伝道の大変さ ── 鞭打ち・難船・投獄(人物篇09)

パウロの手紙を「机上の神学」と思っていたなら、この一節を。殴られ、鞭打たれ、船を失い、海を漂い、それでもまた次の町へ歩いた——手紙の重さは、労苦の重さだった。
人物篇

二つの宛先 ── 同胞ユダヤ人へ、そして異邦人へ(人物篇08)

パウロはどの町でもまず会堂(ユダヤ人)で語り、拒まれて異邦人へ向き直った。だが同胞を見捨てたのではない。自分が切り離されてでもと願うほど、彼は二つの世界に引き裂かれていた。
人物篇

バルナバという人 ── 引き上げてくれた友(人物篇07)

パウロは最初から一人で立てたわけではない。かつての迫害者を受け入れ、世に引き上げたのはバルナバだった。そして二人は、のちに激しく衝突して別れる。
人物篇

沈黙の十年 ── すぐには走らなかった(人物篇06)

回心した人はその勢いのまま大伝道に飛び出す——と思いがち。だがパウロは違った。回心から十年余り、目立たぬ沈黙の時期に、彼は福音の骨格を静かに練り上げていた。
人物篇

回心は、一度では終わらない ── 燃え続けるための工夫(人物篇05)

ダマスコで一八〇度変わった。けれど人は弱く、燃えた心も冷める。パウロも一度の回心で完成したのではなかった。火は消えうる——だから彼は、賜物を「再び燃えたたせ」、走り続けようとした。
人物篇

ダマスコの大回心 ── 一八〇度の転回(人物篇04)

迫害者サウロが、ダマスコへの道で光に打たれ、イエスを仰ぐ者へと一八〇度転回する。木下は、その転回を論理の敗北ではなく「愛」に圧倒された出来事として描く。