創世記46章 異郷暮らしへの出立 

創世記 by 929

本章では、エジプトへ下ること、すなわち第一回目の異郷暮らしへの旅立ちが描かれています。

5 そしてヤコブはベエルシバを立った。イスラエルの子らはヤコブを乗せるためにパロの送った車に、父ヤコブと幼な子たちと妻たちを乗せ、
6 またその家畜とカナンの地で得た財産を携え、ヤコブとその子孫は皆ともにエジプトへ行った。

これは自らの意思で行なった旅立ちであり、一見、喜ばしい境遇のように見えます。というのも、幾年ものつらい時期の末に、ヨセフと家族がようやく再会し、飢饉も解決できるからです。しかし、夢のなかでヤコブへ神の啓示があります。それはヤコブの心境を明らかにしてくれています。

3 神は言われた、「わたしは神、あなたの父の神である。エジプトに下るのを恐れてはならない。わたしはあそこであなたを大いなる国民にする。
4 わたしはあなたと一緒にエジプトに下り、また必ずあなたを導き上るであろう。ヨセフが手ずからあなたの目を閉じるであろう」。

ヤコブの一族は皆、喜びとともに、不安を抱きながらエジプトへ下ったのです(27節の「70人」というのは、女性を含まない全員の数)。

28節で彼らがゴセンに着いた時、ヨセフは彼らに会いに出かけています。ヤコブとヨセフの出会いは予想どおり、とても感動的です。

29 ヨセフは車を整えて、父イスラエルを迎えるためにゴセンに上り、父に会い、そのくびを抱き、くびをかかえて久しく泣いた。

しかし、この描写はとても簡潔で、ヨセフはすぐ実践的な取り決めに移ります。そして、兄弟たちにパロの面前で、言うべきことと言わなくてよいことを指示します。このようなやり取りの末、ゴセンの地にて定住することが許可されることになりました。


創世記46章をよむPoint

1. ヤコブ – イスラエル
ヤコブの二つの名前がこの章ではまぜこぜに使用されています。例えば8節です。
8 イスラエルの子らでエジプトへ行った者の名は次のとおりである。すなわちヤコブとその子らであるが、ヤコブの長子はルベン。

2. 70人
ヤコブの一族は70人と数えられています。これは完全数(丸の数)です。全き、かつ、見事な状態を示しています(訳注・聖書では、「7」は聖数)。このことはこの一族が祝福されていることを伝えています。

3. ゴセン
なぜこの地なのか、どうしてヨセフはここに定住させることにこれほどまでにこだわったのか。

ゴセンの地とは、ナイル川下流のデルタ地帯のことだと言われています。この地は放牧に適しており、そして町の中心地ではありません。よって、(エジプトの文化とは)距離をおいて暮らすことができます。

4. ヨセフを見て、そして死ぬこと
これはヤコブの願っていることです。ヤコブにとって圧巻の場面となります。
30 時に、イスラエルはヨセフに言った、「あなたがなお生きていて、わたしはあなたの顔を見たので今は死んでもよい」。

ミリアム・ブルーメンタル著



※上記は929の日本語訳となります。
https://www.929.org.il/page/46/post/1366

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