創世記48章 マナセとエフライムの祝福

創世記 by 929

ヤコブは亡くなる前に、ヨセフとその息子たちとお別れをします。そして、後代にも影響を及ぼすことになる一族の取り決めを遺言として述べます。

1
ヤコブはヨセフの二人の息子を養子にします。
マナセとエフライムはヤコブの孫から子へと格上げされました。
5 エジプトの国で生まれたあなたのふたりの子はいまわたしの子とします。すなわちエフライムとマナセとはルベンとシメオンと同じようにわたしの子とします。

これはどういう意味でしょうか。この時、エフライムとマナセはイスラエルの12部族のうちの2部族と認知されました。彼らはそれぞれカナンの地で嗣業の地を継承します。聖書の法律では、長子は2倍の財産を相続します。2人の息子にそれぞれ嗣業の地を授かるヨセフは、他の兄弟の2倍の財産を相続することになるので、法的にはいわば長子とされたということができます。

2
ヤコブはエフライムとマナセを祝福します。その祝福のなかでもヤコブは出生順位を変更します。
14 すると、イスラエルは右の手を伸べて弟エフライムの頭に置き、左の手をマナセの頭に置いた。マナセは長子であるが、ことさらそのように手を置いたのである。

ヤコブは、弟エフライムが兄マナセよりも重要な立場になることを決めました。


創世記48章をよむPoint

1. 力を奮い起こす(התחזקות)
ヨセフは病気の父を見舞いにきました。ヨセフが訪ねてきたと聞いただけで、病人のヤコブは力を奮い起こします。
2節:時に人がヤコブに告げて、「あなたの子ヨセフがあなたのもとにきました」と言ったので、イスラエルは力を奮い起こして床の上にすわった。

2. 感激する(התרגשות)
ヨセフと会えるとは思ってもいなかったヤコブは感激します。
11節:「あなたの顔が見られようとは思わなかったのに、神はあなたの子らをもわたしに見せてくださった」

3. 牧者である神(האל הרועה)
ヤコブは、つねに神に導かれてきた体験を、自らのこととして証します。ヤコブにとって神とは、彼の放浪の生涯における牧者(羊飼い)のようなお方でした。
15節「今日に至るまで生涯を通して私の牧者であられた神よ」

4. 祝福(הברכה)
マナセとエフライム、若者たちへの祝福。以後、この祝福の言葉をもって、子供たちを祝福するようになります。この祝福は就床の時やトーラーの歓喜祭(シムハット・トーラー)でも唱えられます。
15節:「すべての災いからわたしをあがなわれたみ使いよ、この子供たちを祝福してください。またわが名と先祖アブラハムとイサクの名とが、彼らによって唱えられますように、また彼らが地の上にふえひろがりますように」

5. 分け前(שכם)
この章の最後の節の意味はよくわかりません。おそらくカナンの地にあるシケム(שכם)という場所とヨセフを関連づけているのでしょう。
22節:「なおわたしは一つの分け前を兄弟よりも多くあなたに与える。これはわたしがつるぎと弓とをもってアモリびとの手から取ったものである」

ミリアム・ブルーメンタル著



※上記は929の日本語訳となります。
https://www.929.org.il/page/48/post/1415

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