出エジプト記15章

出エジプト記の話

今日は出エジプト記15章です。
この章のほとんどは詩で描かれています。

その詩の中で1〜19節を「海の歌」“שִירַת הַיָּם”、
または「モーセの歌」と呼ばれ、
モーセ五書の三大詩の一つと位置付けされるほど
有名な詩です。

またこの詩は、
ユダヤ教の「朝の祈り」で毎日唱えられているほど、
今でもユダヤ人社会で大事にされている詩なんですね。

こうやって故事を祈りの中で常に覚えているからこそ、
「主に贖われた民」というアイデンティティが
養われていくのだと思います。

主にむかってわたしは歌おう、
彼は輝かしくも勝ちを得られた、
彼は馬と乗り手を海に投げ込まれた。
主はわたしの力また歌、
わたしの救となられた、
彼こそわたしの神、
わたしは彼をたたえる、
彼はわたしの父の神、
わたしは彼をあがめる。

主はいくさびと、その名は主。
彼はパロの戦車とその軍勢とを海に投げ込まれた、
そのすぐれた指揮者たちは紅海に沈んだ。

(1〜4節)


詩の冒頭を見ていただくと、
モーセ率いるイスラエルの民が、
神の偉大なる力によって助けられ、
パロ王との戦に勝利した様子が描かれているのがわかります。

そうです、これはついにイスラエルの民が追ってくる
エジプト軍勢から逃れ、
出エジプトすることに成功した事実と、
その喜びを表現している詩なんですね!

喜びを爆発させていたのはモーセだけではありません。
モーセとアロンの姉であり、
「女預言者」とまでなっていたミリヤムは、
タンバリンを手に取り、踊りながら
彼らのあとに従って出てきた、と書いてあります(20節)。

そして、ミリヤムは彼らに和して歌います(21節)。

主にむかって歌え、
彼は輝かしくも勝ちを得られた、
彼は馬と乗り手を海に投げ込まれた。


タンバリンを持ちながら、
その勝利を歓び歌うミリヤムと女性たち。
「主に向かって歌って!」と民に促すあたりは、
さすが女預言者ですね!
モーセとアロン、そしてミリヤムの3人の尽力により、
イスラエルの民は一つとなって主を賛美し、共に喜んでいる、
これ以上の祝福はないと思います。

出エジプトしたイスラエルの民は、
最初の一歩をこのように踏み出しました。
しかし、荒野の旅はここから始まり、40年間も続きます・・・前途多難!
されど主ともなれば恐れはあらじ!

私たちも40年後のこの結末に辿りつくのは、
まだまだ先のようですね・・・
でも、楽しく読んでいきましょう!

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