キー・ティサー 出エジプト記30章11節〜34章35節

出エジプト記

今週の聖書(パラシャット・シャブア)
2月28日(日)〜3月6日(土)
出エジプト記30章11節〜34章35節

パラシャット・シャブア「キー・ティサー」は
出エジプト30章11節の「イスラエルの人々の数の総計をとる」の
総計をとるにあたります。

このパラシャ―はイスラエルの民と神との
十戒の契約の再契約が結ばれるパラシャ―とも言えます。

30章11節から31章までは、神はイスラエルの民一人一人に
生命の贖い代として半シケルを納めさせ、
大祭司アロンとその子達には洗盤で手足を洗い、
注ぎ油を注いで聖別させ、香料と香油をつくらせ
幕屋を聖別しました。

あかしの箱や贖罪所、燭台などの幕屋の諸々の器は
ベザレルとアホリアブが造ることになりました。

ところがモーゼは神から十戒の板を授けられるために
シナイ山にいましたが、あまりに帰りが遅いので、
イスラエルの民はアロンに自分たちを先導する神を要求し、
アロンは金の子牛を造り、民はその前で飲み食いし戯れたのです。
神はこれを見て憤り滅ぼそうとされました(32章1-7節)。

人間は神を信じていながら神からの応答が来ないと
すぐ目に見える神を造りたがります。
このように罪を犯したイスラエルの民に対してモーセは
どのような行動をとったのでしょうか。

32章13-14節にはモーセが神にアブラハム、イサク、ヤコブに
与えた祝福とイスラエルの地を与えるとの約束を思い出させ、
怒りを思い直すように懇願したとあり、
それで神は災いを下すのを思い直されました。 

しかし実際は、山を下ると民が金の子牛の周りを
踊っているのを見て、モーセは激怒し、子牛を焼き砕いて
粉々にして水にまいて民に飲ませました。

アロンに聞いても「この民が悪いのはあなたの知っていることでしょう」と
弁解します。そこでモーセが神につくものと
そうでないものとを分けるとレビの子達が神に従ったので、
残りの者を剣で殺すと3000人になりました。

モーセはなおも民の罪を贖おうとして自分は神の書から名前を
消されてもよいから民の罪を赦してくださいと神に訴えますが、
お前は民を私が示す地へ導きなさい、
しかしこの民は頑なな民(クシェーオレフ)なので、
私は途中で民を滅ぼしかねない。

一緒には上らないと答えられます。

これを聞いた民は悲しみ憂い、身につけていた
罪を思い出させる飾りを身につける者がいなくなります。

しかし神はなお飾りをつけているならば、取り外しなさい。
そうすればなすべきことを示すとモーセに言われました(33章5節)。

それでモーセは幕屋の中で神と語り、一緒にイスラエルの地に
上って下さいとなおも懇願します。
それでとうとう神は一緒に上ることを約束します。

その後、再びモーセは新しい石板二枚を携えてシナイ山に上ります。

神は山頂で雲の中でモーセに語り、異邦の神を拝んではならない、
除酵祭を守ること、安息日を守ることなど、十戒を再び授けます。
その時、モーセの顔は神の光に輝いていて皆が恐れたとあります
(34章30節)。 

以上のことから金の子牛を造って罪を犯した民をいかに
モーセがとりなしたか、それに神にはいかに答えられたか、
神と民との契約である十戒は容易には結ばれなかったことを知らされます。

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